「英単語の語源図鑑」著者の清水建二です。少し遅れましたが、昨年の12月に「英単語の語源図鑑」の副読本のようなものを出版しました。タイトルは「英単語が面白いほど身につく語源の本」(成美堂出版)です。イラストは語源図鑑と同様に、すずきひろし氏にお願いしました。この本は語源図鑑とは異なり、英語の元になったゲルマン語、ラテン語、ギリシア語、さらには、かつてインドとヨーロッパ諸国で話されていたとされる仮説上の共通言語である印欧祖語まで遡って、英語の歴史を学びながら、英単語を覚えるというコンセプトで作製しました。
実は、この 「英単語が面白いほど身につく語源の本」 は一昨年、朝日ウィークリーのコラム48回分を1冊にまとめた形の本です。コラムのタイトルは「シミケンの語源でサクサク英単語」でしたが、おかげさまで毎週、数多くのプラス評価のコメントをいただきました。
そこで、いつもお世話になっている成美堂出版の編集の方に、その話をしたところ、是非、文庫本として本にしたい旨のご提案をいただき、晴れて出版できることになりました。毎週のコラムは紙面が限られていたため、本にするに当たっては、各コラムの内容をかなり膨らませて1冊にまとめることになりました。
一般的に、語源を題材にした単行本はどれも、専門的な内容でとっつきにくいものばかりでしたが、本書は気軽に誰にでも簡単に読める、というのをコンセプトにしました。本の具体的な内容について簡単に紹介します。
例えば、「腕」のarmと「調和」のharmony、意味的に関連がないように見えますが、どちらも印欧祖語で「つなぎ合わせる」という意味の語根(=単語の中核となるパーツ)arを持っています。さらに、「芸術」のartや「秩序、注文」のorderも元をたどれば同じ語源です。本書は、こうした英語の知られざるヒストリーを紹介し、無味乾燥と思われがちな英単語記憶を、有機的で広がりのある学びへと変えていくのです。是非、ご一読を!
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