ブリットレールパス使用開始方法

ブリットレールパスの種類に関しては、ネットで調べれば簡単に出てくるので、今回は、使用開始方法について書きたいと思います。基本的に、日本で注文したパスは初めて使う現地の駅の窓口で有効化する(validate)ことから始まります。使用を開始する際に、すでに行き先が決まっているのなら、その予約とともに行います。おそらく、ほとんどの人たちはロンドンのヒースロー空港から使い始めることになると思います。私の場合、今回の最初の目的地がバースであったので、1日目の宿泊地はロンドンのヒースローエクスプレスのターミナルとなるパディントン駅のホテルを予約しました。バース行きの列車が発着する駅がパディントン駅だからです。

ヒースローターミナルの乗り方

「英単語の語源図鑑」著者の清水建二です。まずは、ヒースロー空港の到着ターミナルの外に出て、エスカレーターかリフト(イギリスではエレベーターのことをliftと呼びます)で下に降ります。地下鉄(Underground)ではなく、鉄道(Railway)の標識に沿って進んでください。ヒースローエクスプレスの駅には窓口がありません。そこで、有効化したいパスを改札口に立っている係員に見せると通してくれます。窓口がないので、その場で有効化することはできません。私の目的地は終着駅のパディントン駅であったので、到着後、パスを見せて駅を出てからすぐに窓口に行き、パスの有効化と次の日のバース行きの列車の予約を同時に行いました。

有効化したパス(validated pass)
予約のチケット

ブリットレールパスで列車を予約する時の注意点

ブリットレールパスで特に、一等席のチケットを持っている人は、予約の際に、I have a Britrail Pass for the first class.「ファーストクラスのブリットレールパスを持っています」と言ってください。これを最初に言っておかないと、係員は2等席で予約をしてしまいます。特に、長距離や利用頻度の高い路線では2等席から埋まってしまうので、予約が取れない、と言われてしまうこともあります。今回もパスを見せながら予約をしても、係員は2等席と思い込んでいる人たちが多いようで、予約が取れないと言われたことがありました。一番びっくりしたのは、1等席のパスを見せて、I have a Britrail pass for the first class.と言ってから、バーミンガムからエジンバラへの列車の予約をお願いしたのですが、満席で予約が取れない、と言われた時のことです。出発の3日前に予約しているのに、予約が取れないはずはない、と思い、「Are you sure? I have a first class Britrail pass.(本当ですか?ファーストクラスのブリットレイルパスですよ?」と確認しました。すると、「あ、そうでしたか、ファーストクラスですね?もう一度やってみます。取れるといいですね。」と言ったすぐ後に、「取れました!」の声を聞いたときは本当にホッとしました。それ以来、予約をする時は必ず、最初に1等席であることを声を大にして示すことにしました。

予約なしの乗車の場合

1等席の場合、予約なしでもたいていは空席があり、席に座ることはできるのですが、列車によっては、予約されている席でもreservedの表示がないものがあります。今回も、1等席の座席のない列車の乗った時に、reservedの表示のない席に座っていたら、あとから乗って来た人の予約席であることが判明し、席の移動を余儀なくされました。ですから、できる限り、2等席であっても前日までの予約をお勧めします。なお、当日の予約はできないのでご注意を。また、1等席であっても路線によっては、1車両しかないものもあり、できるだけ予約することをお勧めします。今回も、湖水地方のウィンダミア駅からリーズ駅に向かう途中、当日急遽予定変更のために、別の列車に乗り込んだところ、1等席も満席で、40分近く、満員の2等車で立つ羽目になりました。

イギリス列車のアバウトな予約システム

今回のイギリスの列車の旅で特に感じたことは、鉄道の予約システムのことでした。列車の予約には費用が一切かかりません。それ自体は我々旅行者にとってはとても良いことなのですが、予定が変更になった場合、前の予約のキャンセルをする必要がないので、あらかじめ数種類の予約をすることができてしまう点です。つまり、複数の予約を入れることによって、無駄な席が生じてしまう点です。また、イギリスの列車は当日の予約ができないというデメリットがあります。この点、日本に比べるとイギリスの鉄道のシステムはかなり遅れていると言わざるを得ません。さらに、鉄道会社によってサービスが全然異なる点も挙げられます。今回、バーミンガムからエジンバラの列車移動は5時間以上かかりましたが、1等席にもかかわらず、サービスはビスケットとドリンクのみでした。ところが、リーズからロンドンへの列車移動は2時間のみで午前9時頃の発車でしたが、a light breakfastからa full breakfastまでたくさんの種類の中から選べる非常に豪華なものでした。

リーズからロンドンのキングズクロスに向かう日立製の列車
無料で提供される軽い朝食(a light breakfast)

アバウトなのは列車の予約だけではありません。料金が日によって、時間帯によってかなりの幅があるという点です。ちなみに、今現在、リーズーロンドン間の2等席の料金が時間帯によって、38.5~56.5ポンド、1等席が131~215ポンドという開きがあります。受けるサービスは全く変わらないのに不思議ですね。さらに、もう一つアバウトな点。それはブリットレールパスの有効化の開始に関してです。今回、ヒースロー空港の鉄道駅で、まだ有効化していないブリットレールパスを見せてパディントン駅に着きました。この時点で、パスを使い始めたのですから、最寄りの窓口に行って有効化の手続きをしなければなりません。私の場合は、翌日がバース行きの列車に乗ることが決まっていたので、駅に到着後すぐにパスを有効化して予約を取りました。しかし、ずるい人がいて、もし仮に、バース行きが二日後だとしたら、パスをまだ使っていなかったことにして、パスの有効化開始を翌日と偽り、有効期限を1日延ばすことができるのです。