「英単語の語源図鑑」著者の清水建二です。アサヒウィークリー連載、第4弾の原稿です。今回は、「投げる」と言う意味のjectとjetです。
「ject / jet」= 投げる
プロジェクター(projector)は、映像が前に(pro)に投射されたもの(jector)
気体を大量に放出して空を飛ぶのはジェット機(jet plane)、気泡が勢いよく吹き出すのがジェットバス(bathtub with massaging jet)です。jetとは「連続して投げられた」が原義で、元々は ject が変化したものです。
「時差」はtime differenceですが、ジェット機による移動によって生じた「時差ボケ」はjet lagで、それぞれ次のような使い方をします。
What’s the time difference between Japan and India?(日本とインドの時差は何時間ですか?)
I still have jet lag.(まだ時差ボケがします)
「計画」や「企画」の意味のプロジェクト(project)は、pro(前に→未来に向かって)+ject(投げられた)ものということです。プロジェクター(projector)は、「映像が前に(pro)に」+「投射されたもの(jector)」から出来上がった単語です。
また、「未確認飛行物体」を意味するUFO(unidentified flying object)のobjectとは、「ob=向かって」+「ject=投げる」こと。ここから、投げつけられたもの、つまり「対象」や「物体」の意味になります。カセットテープが全盛だった時代、デッキのテープの取り出し口に記されていたejectは、「e=外に」+「ject=投げる」からできあがった単語でした。
◆project(映し出す・企画する・企画)
「pro=前に」+「ject=投げる」→前に映し出す、みんなの前に投げかける
Laser images were projected on the screen.(レーザー画像がスクリーンに映し出された)
◆subject(服従させる・学科・国民・受けやすい)
「sub=下に」+「ject=投げる」→下に投げつける
The invaders subjected the local tribes to slavery.(侵略者たちは原住民を重労働に服従させた)
◆reject(拒絶する)
「re=後ろに」+「ject=投げる」
The proposal was flatly rejected.(その提案はキッパリと拒絶された)
◆object(反対する・物体・対象)
「ob=向かって」+「ject=投げる」→反対に投げつける
Many people object to the death penalty.(多くの人が死刑に反対している)
◆interject(差しはさむ)
「inter=間に」+「ject=投げる」→投げ込む
“That’s ridiculous!,” she interjected.(「それはばかげている」と彼女は口をはさんだ)
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